中東情勢の悪化に伴う住宅資材供給についてのお知らせ
現在、弊社で家づくりをご検討中のお客様、ならびにご契約をいただいておりますお客様へ、まずは平素よりのご信頼に心より御礼申し上げます。
このたびの中東情勢の悪化を受け、日本の住宅産業では、原油やナフサを原料とする資材を中心に、供給不安と価格上昇が現実のものとなってきました。実際に、防水材や断熱材の一部ではメーカーによる受注停止や価格改定が公表されており、経済産業省も、国内全体として必要量の確保には努めている一方で、一部では流通の偏りや目詰まりが起きていると説明しています。日本は原油の9割超を中東に依存しているため、こうした影響が建材や物流コストに波及しやすい状況です。
現時点で当社が把握している範囲では、ルーフィングなどの防水関連資材、ボード系断熱材、透湿防水シート類、接着剤・シーリング材、溶剤系塗料など、石油化学系の建材で影響が大きく出ています。さらに、一部の住宅設備やユニットバスにも影響が及び始めており、住宅業界全体として「ひとつ欠けると現場が止まる」リスクが高まっています。
住宅は、多くの建材と設備の組み合わせで成り立っています。たとえば、屋根防水のためのルーフィングが入らなければ、上棟後でも雨から構造材を守れません。サッシが入らなければ外回りを囲うことができませんし、最後にトイレや給湯機器が入らなければ、お引き渡しをしても生活を始めていただくことができません。つまり、家づくりは一部の資材だけの問題ではなく、どこか一か所の供給停止が、全体工程に連鎖する仕事です。
そのため、弊社ではお客様の状況を次の4つに分けてご案内しております。
A:すでにご契約済みで、着工済みのお客様へ
この段階のお客様については、すでに主要資材の発注を進め、納期確認も取れている案件が大半です。したがって、現時点では、お引き渡し時期やご契約金額に大きな影響が出る可能性は原則として高くないと見ています。もちろん、今後さらに想定外の供給停止が広がる可能性がゼロとは言い切れませんが、まずは現在進行中の現場を最優先に守り、予定通り進めることを第一に対応してまいります。
B:ご契約済みで、これから着工への準備中のお客様へ
5月、6月着工予定のお客様については、基本的に主要資材の確保を優先して進めています。ただし、ユニットバスやトイレ、キッチンなどの住宅設備で未決定のものがある場合は、まだ発注ができていないため、早急な仕様確定が必要になります。現段階では、できるだけ納期に支障が出ないよう手当てを進めておりますが、今後、突然の欠品や受注停止が生じた場合には、不可抗力として引き渡し時期の延長をお願いする可能性があります。その際は、わかった時点で速やかにご説明いたします。
C:現在設計中で、まだお見積もり・ご契約前のお客様へ
この段階のお客様には、すでに判明している価格上昇を反映した単価でお見積もりを作成いたします。ただし、今後さらに供給不安や値上げが進んだ場合には、当初の見積金額から変更が生じる可能性があります。また、予定していた仕様のままでは資材が入らない場合、性能や使い勝手を損なわない範囲で代替品への変更をご相談することがあります。加えて、工事が始まった後に一部資材が止まり、工程が中断する可能性も、残念ながら否定できません。ですので、この時期の家づくりは、金額も工期も「固定された前提」ではなく、一定の変動リスクを共有しながら進める必要があると考えています。
D:これから家づくりを検討されるお客様へ
これから計画を始める方にとって、いちばん大切なのは、いたずらに不安になることでも、逆に何も見ずに急ぐことでもありません。まずは、家の大きさ、予算、性能、設備、デザインのうち、何を優先し、何は調整可能なのかを整理することが重要です。今は、特注品や納期の読みにくい仕様を多く盛り込むほどリスクが高まります。
したがって、見通しの立てやすい標準仕様を軸に考えること、面積や設備グレードも含めて優先順位を明確にすることが、結果として失敗を防ぎます。また、お見積もりの有効期限、価格変更が生じた場合の扱い、工期が延びた場合の考え方を、設計の早い段階から確認しておくことをおすすめします。
弊社としては、このような不透明な状況だからこそ、都合の悪い情報も隠さず、現時点でわかっていることを正直にお伝えしながら、お客様ごとに最善の進め方をご提案してまいります。私たちは、利益の確保だけでなく、品質を落とさず、現場を止めず、無理のない形で家づくりを進めることを最優先に対応してまいります。
今後も状況の変化に応じて、確認できた情報は速やかにご案内いたします。
引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。
株式会社大雄
ユーハウス事業部
代表取締役 社長 山口 周平
補足資料: 本日付の建築資材の状況について(2026年4月13日時点)

現在、住宅建築資材の中でも、とくに影響が大きいのは、石油化学由来の建材・副資材です。
現時点で、公式に確認できている影響としては、まず屋根・防水関連が深刻です。田島ルーフィングは、ウレタン防水材「オルタック」類、ポリスチレンフォーム断熱材「スタイロフォームRB-GKⅡ」「RBボード」を4月6日から一時受注停止とし、さらにアスファルトルーフィング類についても4月9日から新規受注停止を公表しています。
断熱材についても影響が出ています。カネカは押出法ポリスチレンフォーム「カネライトフォーム」について、4月1日出荷分から40%の価格改定を公表しています。加えて、旭化成建材ではネオマフォーム・ネオマゼウスの一部品種を4月1日受注分から販売終了としており、これは中東情勢そのものが直接理由ではないものの、もともと高断熱材の供給に余裕がない中で、代替調達の難しさを高める要因になっています。
接着剤・化成品・塗料系も注意が必要です。アイカ工業は3月31日時点で、中東情勢の緊迫化により一部製品で数量・納期・価格の調整が避けられない状況になりつつあると公表しています。これは、シンナー、接着剤、シーリング、溶剤系塗料など、内外装の仕上げや下地工程に幅広く影響する可能性があることを意味します。
構造用合板の製造には接着剤が欠かせません。今後国内製造ラインに影響が出ることが懸念されております。
また、樹脂やアルミを使う住宅設備・開口部についても警戒が必要です。
TOTOが、トイレ・ユニットバス・洗面台の新規受注の停止を本日4月13日付で通達いたしました。LIXILは4月10日付で、一部製品に使用する石油由来原材料やアルミニウム等のコスト上昇、物流・生産コストの上昇により、生産活動に影響が生じており、今後、価格・納期・数量等の供給条件を調整する可能性があると発表しています。現時点では、住宅設備全般が一律に受注停止という公表ではありませんが、水まわり設備やサッシなども「影響ゼロ」とは言えない段階に入っています。
さらに、フクビ化学工業も3月25日付で**「中東情勢悪化に伴う製品供給制限および価格改定実施のお知らせ」**を掲出しており、防水部材、断熱関連部材、樹脂系建材などの分野でも広く警戒が必要です。
総じて本日時点では、木材やプレカットそのものが全面停止している局面ではなく、石油化学系の副資材・断熱材・防水材・接着剤・樹脂系部材から先に詰まり始めている、というのが実態に近いと見ています。住宅工事は、ひとつの主要設備が高額であること以上に、ひとつの副資材が欠けるだけで工程全体が止まるところに難しさがあります。そのため、現場では「何が高くなったか」だけでなく、どの資材が止まると工程停止に直結するかを見ながら、発注順序や代替案を組み立てる必要があります。これは弊社でも最重要管理項目として注視しております。
このような難局においても、可能なだけ現場を稼働させ、お客様との契約の履行と、地域経済を止めることの無いよう尽力いたしますが、不可抗力で突発的な事象が生じる可能性があることを重ねてご理解お願いいたします。


