TPP 交渉正式参加

昨日日本政府は、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に正式参加しました。
民主党政権時の3年前にTPPに参加するしないの話が出て、
国民に対してその意味合いをしっかりと説明しないまま、
関税撤廃だけが一人歩きしてしまいました。
農業関係者やJAは声を上げて大反対の連呼をくりかえし、
製造業を中心とした経団連は早く参加するように
国に対して繰り返して要望していました。


新聞報道も関税がすべて撤廃されたら、
貿易額がいくら増える。農業生産額がいくら減る。
といった記事だけで、
何故この時期にこんな話が持ち上がったのか?
という背景を説明するものはほとんど見かけませんでした。


もう時遅しと思っていましたが、
安倍首相になって急遽「TPP参加」を表明して、
すでに先行参加して交渉をしている11ヶ国の了解を取り付けた。
よく参加出来たと思いますが、
つくづく民主党政権の無能さには今さらながら呆れます。
呆れるというより腹立ちさえ覚えます。


これは、自国のルールで好き勝手にやっている中国に対する、
『中国包囲網』でしょう。
日本の農業のことをとやかく言っているのではありません。
そんな小さな時限で物事を考え続けていたら、
それこそ日本は江戸時代に逆戻りするところでした。
国民の意見を聞くことは大切ですが、
時には、トップが決断しなければならないことはあります。


日本が参加したことによって、
参加12ヶ国のGDPの合計は世界全体の4割弱になるそうです。
日本の参加でアジア太平洋をまたぐ巨大な広域経済圏が出来あがることになり、
中国は日米が主導するTPPを大変警戒していると思います。


さて、これからの交渉がまた大変なことだそうです。
交渉に参加していなかった日本には、
今までの交渉内容が知らされておらず、
交渉の全容は全く把握出来ずにいたそうです。
それが昨日、今までの交渉の経緯や文書がドサッと渡されたそうです。
数千ページに及ぶ英文だそうですが、
日本政府はその分析のためにも100人を越える交渉団を
マレーシアに送りこんだそうです。


TPPの交渉は、毎月10日ぐらい行っていたそうで、
10日×3年(=36ヶ月)=360日 なので、
約1年分の交渉内容が書き込んであるんですよ。
最終合意には達していませんが、
項目によっては、合意しているものもあるかも知れません。
当然交渉中のものもあるわけですが、
ここまでは決まっている。なんていうのもあるでしょう。


交渉団は、膨大な量の文章からそれを分析しなければなりません。
すべて理解した上で交渉のテーブルにつかなければ相手にされません。
考えてみて下さい。
360日間顔をつきあわせて話しあっている会議室に、
初めて入って行くんですよ。
そこで国益を掛けた交渉を始めるんですよ。
私には、到底出来ません。


今頃100人の交渉団は、
寝る時間も削ってその英文の交渉文書を分析しているんだろうなと思います。
がんばれ、日本!
がんばれ、日本の優秀な役人!

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